[ 文:橋本真由美 写真:橋本道継 ] 2013年12月25日 と 2014年1月21日



 毎月どこかでお祭りがあると言われる京都の寺社の中でも、毎月定期的に縁日が開かれているのは毎月25日に開かれる北野天満宮の「天神市(てんじんいち)」と、21日に開かれる東寺の「弘法市(こうぼういち)」の2ヶ所だけ。

 「天神」とは北野天満宮の祭神である菅原道真公のこと、「弘法」は東寺の開祖である弘法大師空海のことで、地元の人々は2つの縁日のことを親しみを込めて「天神さん」「弘法さん」と呼んでいます。もともと「縁日」というのは『神仏が現世と縁を持つ日』という意味で、この日に参詣するとより大きな功得があると伝えられています。

 どちらの寺社も古くから深い信仰を集めていて、それぞれが広大な敷地を持つことから自然と人が集まる場となり、人が集まるところに簡素な茶店が出始め、やがて物売りが集まり・・・そのような自然な成り行きで、中世〜近世にかけて荒れに荒れた洛中の政情がようやく落ち着きを取り戻した江戸期の頃から、毎月開催の「天神・弘法」の露店は人気があったと言われています。

 難しい話はさておき、縁日の中に入っていきましょう。


弘法さん。


 広い敷地とはいえ、すごい人です。外国人観光客の姿も多いです。お祭りにつきものの食べ物の露天の他には、京漬物、佃煮、地元で取れた京野菜、そして植木、骨董、古布、着物、おもちゃ、無造作にビニール袋に詰められた手芸小物、東洋西洋アンティーク、時代家具、古雑貨、錆だらけの工具、懐かしい電化製品、鬼瓦から仏像まで・・・。
天神さん。


 売り物なのか何なのかわからないようなガラクタから、数百万の値札が無造作にぶら下がった品物まで、お気に入りとの出会いは一期一会。まさにセンスと勘と想像力を磨くには絶好の場所かもしれません。時には値札の「0」の数を1つ少なく書きまちがえたとしか思えない掘り出し物に出くわすこともあり、商品を見たり値札を見たりと楽しみは尽きることがありません。





弘法さん 革小物専門店。

 また最近は、若い人が営む雑貨店、アンティークショップの出店も目立ち始め、昔の縁日とは雰囲気が変わりつつも、老若男女が集まる風景は今も昔も変わらないようです。



2013年12月25日 北野天満宮 2014年1月21日 東寺

 12月25日は京都の年末行事を締めくくる「終い天神」。ひときわ多くの参拝客で賑わい、いつもの露店に加わりお正月用品も数多く売られています。京都伏見店の玄関に飾る、大きな注連(しめ)飾りはここで買いました。 1月の「初天神」、そして2月25日は菅原道真公の命日でもある「梅香祭」と続き、縁日は春に向けてますます賑わいを見せます。

終い天神にて、しめ飾り購入中。


 1月21日には東寺の縁日「初弘法」へ行きました。こちらも今年初の縁日とあって、広い境内がより一層ごったがえします。





 それにしても大変な賑わいでした。広大な敷地にところ狭しと並んだ商品を眺めながら境内をぶらぶらと歩き回り、屋台のテントで暖かいうどんとおでんを頂き、これまた美味しそうな干し柿と京漬物、和装小物を数点(値段交渉して少しサービスしてもらいました)購入、最後に東寺のご本尊である大日如来像にお参りして、まる1日楽しみました。

 「天神さんの日が晴れなら弘法さんは雨」など、天神さんと弘法さんは、天気や気温、人の入りなど、昔から事あるごとに比べられてきたようです。今はネットで何でも買える時代ですが、たくさんの人やモノとじっくり向き合いながら1日歩き回ると、モノの価値観が変わると言いますか、自分に必要なものと不必要なものを見極める冷静な感覚を取り戻すことができ、目で見て買い物をするって大切だな〜と実感します。

 とにかく大勢の参拝者が訪れるので、当日はぜひ歩きやすい服装で、手荷物は最小限で(帰りはお土産が増えるため)歴史ある京都の縁日をお楽しみください。

天神さんと弘法さん  終わり

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