[ 文:橋本真由美 写真:橋本道継 ] 2013年4月16日


 はじめまして。京都伏見店で土日祝のみ店のお手伝いをしております、橋本真由美です。

 さて、奈良と聞いて一番に思い浮かぶのは、やはり世界に誇る奈良の大仏様でしょうか。昔も今も修学旅行の定番コース、でも大仏様とたくさんのシカ、それから・・・えーと・・・???なんて人も多いのでは。

 そこで今回はオトナ目線で、東大寺とその周辺の楽しいスポットをご紹介しましょう。

     シカのフンを踏まないように気をつけて・・・。


奈良中心部でオートバイを駐車できる駐車場は2ヶ所。どちらも東大寺までは徒歩10分ほど。

県営高畑観光駐車場
二輪車300〜400円/1日 ※時期によって料金は異なる。
市営ならまちセンター駐車場
二輪車100円/60分 最大料金500円 観光地へのアクセスはこちらの方がやや便利。

東大寺で大仏様とご対面

 東大寺への参道は修学旅行生と外国人とシカでいっぱい。修学旅行生以外の日本人は思った以上に少なく、外国語の中に時折日本語が聞こえる奇妙な雰囲気。どーした日本人!

南大門(なんだいもん)


 日本最大の山門である南大門(なんだいもん)をくぐると、世界最大級の木彫像である左右2体の金剛力士像(こんごうりきしぞう)が、ニラミをきかせて見下ろしている。

 現在の南大門は鎌倉時代(11世紀)に再建されたもので、金剛力士像もその頃に作られた。再建といってもざっと築900年。現存の大仏殿よりも、かな〜り年代物なのです。



 さらに進むと朱塗りの回廊(かいろう)の奥に、これまた世界最大の木造建築物である大仏殿(金堂)が見えてくる。

大仏殿(金堂)

 そして大仏殿の中に鎮座する、世界最大の金堂像である奈良の大仏様とご対面です。




 もう何でもかんでも最大級。東大寺は何もかもスケールが大きいのです。これでも今の大仏殿は創建時の3分の2の大きさ、大仏様の座高(15m)は創建時よりも1m低いのだとか。

 本当は当時の宗派の教えに従って、お釈迦様の10倍の大きさの仏様を作りたかったらしいのですが、高さが50mにもなってしまう。こりゃムリだということで仏様を座らせ、なんとか造れるサイズの座高16m(創建時)にして造ったともいわれています。つまりこれでもコンパクトにしたということ?


それにしても大仏殿の中は涼しい。涼しいから一層、包みこまれるようなオーラが漂います。


なんだか、薄っぺらい自分を見透かされているような・・・


 大仏殿の数ある柱の中で、1本だけ穴をくり抜いた柱があります。一説では鬼門よけのために開けられた穴なのだとか。大仏様の鼻の穴と同じ大きさで、この穴を大人がくぐると無病息災、子供がくぐると背が伸びるという言い伝えがあり、隠れた人気スポットです。勇気のある方はぜひどうぞ。

※シャッターチャンスを逃して不気味な写真に・・・


風情のある景色、二月堂


 大人の修学旅行は大仏様だけで満足してはイケナイのです。ぜひ足を伸ばして訪れて頂きたいスポットを紹介しましょう。


 大仏殿からさらに奥の丘を上っていくと、3月のお水取り(修二会・しゅにえ)でおなじみの二月堂(にがつどう)が見えてきます。

 寒さが残る早春の夜、火のついた大松明(おおたいまつ)を抱えた僧侶が次々と長い階段を上り、お堂の舞台から真っ赤な火の粉が降り注がれる様子をテレビニュースで見たことがある人も多いのでは。お水取りは752年からただの1度も途絶えたことがなく、今年でなんと1262回目ですって。


二月堂


 南大門や大仏殿のワイワイガヤガヤとはうってかわって、普段の二月堂は訪れる人も少なく、鳥のさえずりが聞こえる静かで落ち着いた雰囲気がいい。大仏殿からの道のりに日頃の運動不足を感じつつ、さらに傾斜のきつい長い石段を登ると、お堂の脇に建つ小さな甘味処が出迎えてくれます。


 「龍美堂」自家製のわらび餅。抹茶とセットで。 ん〜美味し。



 二月堂の舞台からは奈良市街が一望できます。とても静かに吹き抜ける風がサラサラと心地いい。

 屋根のついた北側の階段「登廊(のぼりろう)」の天井は、大松明のススで真っ黒。

登廊

二月堂の裏参道は、とても静かで風情のある素敵な小道です。



 ゆるい石段が長く続く裏参道ですが、郵便配達や新聞配達のカブが段差をもろともせずガタンガタンと走り下りていきます。
働くバイクはいつでもどこでも走るのだ。


笑っちゃうような新名物


お土産にいかがですか?

その名も「大仏プリン」 笑うほどデカいと評判のプリン。



 右側が80ml ごく普通のサイズ、左側は500ml 普通じゃない特大サイズ。だから付属のスプーンもカレーサイズ。

 大仏様のプリンだから大きいという、極めてシンプルな発想の新名物。誰とどうやって食べたら良いのかアドバイスはできませんが、味もなかなか美味しいので記念にぜひどうぞ。(普通のサイズもあるので、ご安心を)

※東大寺門前の「夢風ひろば」、近鉄、JRの奈良駅などで販売しています。


必見!鹿せんべいの上手なあげ方


 奈良公園を中心とする一帯には、多くの鹿がいることで有名。ここの鹿は天然記念物。神のお使いのシカ様なのです。

 この界隈は、自分の目の前を鹿が歩いているのが当たり前の光景です。性質はいたっておとなしく、カメラを向けるとカメラ目線でポーズを取るなど、奈良代表としてのプロフェッショナル精神も持ち合わせています。



 道には「鹿に注意」の道路標識、歩道も車道も鹿優先。


 あちこちでオバちゃんが売っている「鹿せんべい」を鹿に与えることができるのですが、鹿も観光客が餌をくれることを知っています。鹿せんべいを手にした途端に大きなオス鹿たちに取り囲まれ、子供は大泣き、大人もせっかく買ったせんべいの束を捨てて逃げ出す、なんてことも少なくありません。

 そこで、奈良に行きたくなった(はずの)人のために、「鹿せんべいの上手なあげ方」を伝授いたしましょう。


 まずはせんべいをあげる鹿を選ぶ必要があります。

●売店の周りにたむろしている鹿
●角を生やしたオス鹿
●群れで動いている鹿
は、せんべいを束ごと頂戴しようと待ち構えているのでパスしましょう。

←このような所にいる鹿たちには間違ってもあげてはいけませんよ。

 鹿せんべいの売店の周りに陣取る鹿たちを遠巻きにして、少し離れた場所で単独で草を食べているような、「善良そうな鹿さん」を選びましょう。


1 まずビニール袋を用意しておき、売店で鹿せんべい購入。購入後は素早く(ここ重要)ビニール袋にせんべいを入れ、さらに素早く(ここ重要)バッグの中にせんべいを収納します。
 ←早くも背後から狙われています。寄ってくる鹿を振り切り、すぐに売店から離れましょう。

2 「善良そうな鹿さん」を見つけたら、まずは頭を下げてご挨拶。8割方の鹿は、お辞儀を返してくれます。ご挨拶してくれるカワイイ鹿を選びましょう。

3 ここで鹿せんべいを1枚だけ(ここ重要)バッグから出して、鹿にあげましょう。
バッグはすぐに蓋をします。束でせんべいを出すと、匂いでたちまち鹿が寄ってくるので、2〜3の要領で公園を散策しながら1枚ずつあげてください。

4 もし手持ちのせんべいがなくなっても鹿が寄ってくるようなら、両手を挙げて「持ってないよ〜」とアピールすると去っていってくれます。


 どうですか?150円で楽しく鹿とコミュニケーション。きっと奈良旅の楽しい思い出になることと思います。


すごくないのになんだかスゴイ「巾着きつね」

 東大寺や奈良公園から徒歩10分強ほど離れた商店街に、単純な発想で一躍人気店となった手打ちうどん屋さんがあります。


 三条通りの南側「もちいどのセンター街」の入口付近にある、
「麺闘庵(めんとうあん)」 ここの名物は、きつねうどん。

・・・なのですが、「巾着きつね」とオーダーすると、ビックリするようなきつねうどんが出てきます。



 うどんの中にお揚げが入っているのではなく、大きな揚げ巾着の中にうどんが入っています。巾着の口を結んでいる高知産の長ネギがアクセント。大きな巾着がなかなかのボリュームで、少し甘めのダシがとても美味しいです。

 店のご主人が、もち巾着の応用で考えついた、という至ってシンプルな開発ストーリー。最近は本やテレビでも取り上げられるようになり、一躍有名店となりましたが、とても明るい雰囲気で好印象なお店です。

 その日の揚げ巾着がなくなったら閉店です。奈良に来られた際にはぜひお立ち寄りを。


古きよきもの

 新しい奈良ともいうべきネタを少し紹介しましたが、奈良はやっぱり歴史ある街。街中に入ると京都とはまた違う、古きよきものがたくさんあるのです。


 近鉄奈良駅から10分ほど南に歩いたところに、趣深い古い街並みが残る「ならまち」とよばれるエリアがあります。

 築140年を誇る呉服屋の一角に店を構える小さな吉野葛専門店「佐久良」。
 奥の甘味処に通されると、趣きのある室内と素晴らしい庭に時間を忘れて見入ってしまう。

吉野本葛だけを使った葛餅。



砂糖傳(さとうでん) 増尾商店


 「佐久良」から南へ数分歩いた所にある、江戸時代創業の砂糖商。ここに「米飴(こめあめ)」という昔の製法で作られた水飴があります。

御門米飴(みかどこめあめ)

 デンプンを酸で糖化させた現在の一般的な水飴は透明ですが、米を麦芽で糖化させた米飴は、昔ながらの美しい琥珀色。

見るからに美味しそう〜

 栄養価にも大変優れていて、健康食品として人気があるとのこと。水飴と名前はついていますが、お味はハチミツよりも風味深く、それでいてあっさりしていて、私は朝食のパンのお供として、ジャム代わりに愛食しています。

 味の美味しさもさることながら、なんだか昔の高級品を頂いているようで朝からゼイタクさせてもらっている気分になれますよ。


歴史が普通に染み込んでいる街


 普通の街にも、背筋を伸ばしたくなるような伝統の格式のようなものを感じる京都の街中と違い、奈良の街中は古い歴史が当たり前のように染み込んで、どこかノンビリとした普段着の時間が漂っているのが魅力だと、私は個人的に思っています。




 東大寺界隈、少年少女時代の修学旅行を思い出しながら、オトナ目線でのんびり遊びましょう。そうそう、鹿のフンは踏むと運がつくといわれます。この界隈を歩くと、まあ間違いなく踏んでますから、どうか幸運をそのままお持ち帰りくださいな。





古きもの、新しきもの
終わり



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